障害者歯科
静脈内鎮静法ってどのような感じになるの?
血圧計や呼吸を観察しながら点滴をとって、薬を入れていきます。すこしずつ眠くなっていきますが、全身麻酔のように意識がなくなることはありません。意思表示や会話をすることも可能です。感じ方は人それぞれですが、お酒を飲んでほろ酔い加減のような、うたた寝をしているよう感覚です。笑気吸入鎮静法に比べより確実な鎮静効果を得ることができます。
対象となる方
治療に理解が得られない知的障害や発達障害のある方で、
- 歯科治療に対する不安や恐怖心が強い方
- 強いえづきがあって歯科治療が難しい方
- 歯科治療によるストレスを和らげないといけない方
- 笑気吸入鎮静法では十分な効果が得られなかった方
過換気の既往がある、鼻から息がしにくい、鼻マスクができない、肺の病気の既往がある、腸閉塞がある、目の手術でガスを注入した方等
対象にならない、できない方
- 歯科治療より優先して加療が必要な全身疾患があると診断した場合
- 口が開かない、顎が小さい、太りすぎている等で呼吸の管理が難しいと判断された場合
- 妊娠中の方
- 使用薬剤に対してアレルギーや禁忌症をお持ちの方
Q 当日すぐに帰れますか?
A 帰れません。効果が強いため、笑気吸入鎮静法と異なり様々な制限や注意事項があります。原則として処置時間の4時間前から経口摂取制限があります。鎮静中に嘔吐して窒息等のリスクを避けるためです。
また、以下の条件を満たすまでは帰れません。
- ふらつきが無く目を閉じた状態でまっすぐ姿勢を維持できる
- 意識が鮮明で血圧や呼吸の状態に異常がない
- 経口摂取可能で嘔吐がない
- 責任を持って付き添い帰宅できる成人がいる
さらに、当日は以下の事を行わないよう同意していただきます。
- 自転車、自動車等の運転
- 仕事や契約など、重要な判断が必要とされる事
- 激しい運動
- 飲酒
以上のような条件を同意していただかなければ、静脈内鎮静法は行うことはできません。また、全身状態に問題があると判断した場合は、他科を受診して専門的な検査を受けて頂く事もあります。