口腔がんってなに?~予防と早期発見のための自己検診~
日本人の口腔がんの発生率は身体全体に発生するがんの1~3%と低いため、「口の中にもがんが出来る」ことを知らない人が多いようです。口腔にがんが発生すると、ものを食べたり、話をしたり、顔の形や表情を作るなど、人として生きてゆくために大切な口腔の働きが損なわれます。特に進行した口腔がんでは手術により舌やあごの骨がなくなり、顔が変形して、食事や会話に著しい障害を生じ、最悪の場合は命を落とすことになります。しかし早期の口腔がんは簡単に治すことができ後遺症もほとんどなく、治癒率の高いがんです。
口腔は口を開ければ直接見て触ることができるため、口腔のがんは比較的早期に見つかることが多いと言われていますが、そのためには一般の人々の口腔がんに対する正しい知識と日頃の自己検診が重要です。口腔に発生するがんで最も多いのは舌がん、次いで歯肉がん、頬粘膜がんなどがあります。
通常の口腔がんは瘤の様に盛り上がった腫瘤や、しこりを伴う潰瘍(粘膜の表面がえぐれてくる)を形成します。(写真1、2)
また、口腔がんになる前の病変や状態として、粘膜が白くなったり、赤くただれた状態になることもあります。(写真3)
そのようなものが出来た場合には、お近くの口腔外科に受診して診察や検査を是非受けてください。
一方、口腔がんにならないためには、
1.タバコは吸わない
2.アルコールはほどほどに
3.熱すぎる食べ物は少し冷まして食べる
4.焦げた食べ物は口にしない
5.食生活は野菜や海藻類を中心にバランスよく
6.過度のストレスを避け適度な運動をする
7.きちんと歯の治療をして口の中の慢性の刺激(でこぼこした歯並び、合わない入れ歯、破れたかぶせもの、むし歯で崩壊した歯、歯石の沈着)をなくす
8.口の中をいつも清潔に保つ
- 写真1舌癌
- 写真2下顎歯肉癌
- 写真3白板症(前癌病変)