福岡歯科大学医科歯科総合病院

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診療科のご案内

内視鏡センター 大腸癌について

概要

大腸癌の男性、女性ともにほぼ罹患頻度は同じです。また年齢分布では60歳代後半にピークがあります。大腸癌は近年著しく増加しています。現在、死亡数では肺癌、胃癌に次いで第3位であり、数年後には胃癌を抜くと言われています。大腸癌の発生には、食事などの環境的因子が大きく影響しています。食事では特に動物性脂肪やタンパク質の過剰な摂取が問題となります。

大腸癌の発生機序

大腸癌は大腸粘膜の細胞から発生します。元々は正常な細胞も何らかの原因で癌細胞に変身します。変身した細胞が何兆という数に増えて,大腸癌として目に見えるようになります。

大腸癌の発生には以下の2つの経路があると考えられています。

①良性のポリープ(腺腫)が癌になる経路
良性の腺腫が発癌刺激を受けて癌化するもので、腺腫-癌連関と呼ばれます。

②正常粘膜が発癌刺激を受けて直接癌が発生する経路
この癌はデノボ癌(de novo 癌)と呼ばれます(de novo とは初めから、新たにという意味のラテン語)。

大腸癌の広がり方

①浸潤
腸の壁を破壊しながら大きくなり、腸の壁を突き破って周囲の内臓にまで広がっていきます。

②リンパ行性転移
リンパ管は血管のように体中に張り巡らされており、所々にリンパ節という節目があります。リンパ管に侵入した癌細胞は、まず近くのリンパ節に流れ着いて増殖します。更に進行すると遠く離れたリンパ節にも転移します。

③血行性転移
癌細胞が腸の壁の中にある細い静脈に侵入し、様々な臓器に流れつき大きくなることです。大腸の血液はまず肝臓に集まることから、大腸癌では肝転移の割合が最も高くなります。
続いて多いのが肺転移です。更に進行すると骨や脳に転移します。

④播種
播種という文字が表すように,種が播かれるように癌が転移することです。
増大した癌は腸の壁を突き破って、お腹を覆う腹膜に顔を出します。
そこから腹腔内にばらまかれた癌細胞は芽を出すように大きくなります。
最後にお腹の中全体に広がり,癌性腹膜炎の状態をつくります。

大腸癌の病期(ステージ)

癌の進み具合の表しかたを進行度(ステージ)といいます。

ステージは癌が大腸の壁に入り込んだ深さ(深達度),どこのリンパ節まで転移が及んでいるか(リンパ節転移の程度),肝臓や肺など大腸以外の臓器や腹膜にまで転移しているか(遠隔転移),の組み合わせで決められています(表1)。

ステージ0は最も早期で,ステージIVは癌が最も進行した状態です。

治療前に癌のステージを正しく判定することは,治療方針を立てる上で非常に重要です。

大腸癌の治療

大腸癌の治療については、 癌の深さやリンパ節転移の有無、遠隔転移の有無によって治療内容が異なります。

内視鏡的治療

腹腔鏡下手術

当センターで扱う主な疾患